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【トレーナー監修】愛犬のサークルやケージの最適な置き場所って?愛犬が快適に過ごせるレイアウトは?
愛犬のお迎え前に準備しておきたいのがサークルやケージ。サークルやケージは愛犬にとって「自分だけの安心できる空間」です。愛犬が快適に暮らしてもらえるよう、生活空間を整えてあげる必要があります。
今回の記事では、サークルやケージが必要な理由から、サークルやケージのNGな置き場所、愛犬が快適に過ごせる最適なレイアウトについてお伝えします。
最適な置き場所はこちらの動画でも解説しています。
改めて「ハウス」とは?
サークル、ケージ、クレートの3つは、一般的に「ハウス」として使用されます。ハウスとは「犬の居場所」のことです。
クレートをハウスとして活用することが多いですが、クレートが必ず必要というわけではありません。ケージに慣れているようでしたら、ケージをハウスとして使用しても大丈夫です。
ただし、クレートは外と視界が遮断されているのに対し、ケージは外が丸見えです。ケージの場合は、犬はどうしても外の刺激が気になってしまい、中で落ち着くことができなくなってしまいます。ケージをハウスとして利用するのであれば、布などをかけて視界を遮断してあげると、愛犬が落ち着いて過ごすことができます。
ハウストレーニングは、自宅でのお留守番や、動物病院や旅行などの外出時に、スムーズにハウスに入ってもらうために必要なトレーニングです。具体的なトレーニング方法に関する相談などは、犬のしつけのプロであるドッグトレーナーにお気軽にご相談ください。
サークル、ケージ、クレートの違い
ここでは改めて、サークル、ケージ、クレートの違いについて解説します。
「犬の居場所」としてひとくくりにされていますが、それぞれ違いがあります。
サークル
サークルは室内の一部を囲う役割を持ちます。側面が柵で囲われ、基本的には天井がついていないものです。(一部天井つきの製品もあります。)種類は側面を囲う柵を組み合わせたもの、床付きのもの、折りたたみ式など、複数あります。
ケージ
サークルとは違って、側面を囲う柵に天井と床面がついているものです。天井がついているため、
飛び出しが心配な愛犬はケージがおススメです。サークルと同様、折りたたみ式、布製のものなど複数の種類があります。
クレート
クレートは持ち運び可能な小さなケージのようなもの。基本的には動物病院に行くときなど、移動の際に使用します。大きさの目安は犬が中で楽に向きを変えられる程度です。
犬にサークルやケージが必要な理由
サークルやケージ・クレートは、犬にとっての「ハウス」、つまり犬の居場所と呼ばれるほど重要なものです。まずは、犬にとってなぜサークルやゲージが必要かについて説明します。
愛犬が落ち着いて過ごせる
愛犬がストレスなく、快適に過ごすためにサークルやケージが必要になります。犬は縄張り意識の強い生き物です。そのため、犬は自分に与えられたスペースを縄張りとして守ろうとします。
例えばサークルやケージがなく、リビングなどで放し飼いにしてしまうと、広い部屋すべてを守ろうとしてかなりのストレスになります。サークルやケージを使用し、自分だけのエリアを作ってあげる必要があります。
犬のイタズラ防止、安全の確保
サークルやケージがあれば、長時間のお留守番や目を離さなければいけないときなどに、事故やイタズラを防ぐことができます。
お留守番中に家具や家電を噛んでボロボロになってしまう。電気コードに噛みついて、大きな事故に、、なんてことも防ぐことができます。
また、犬に多いのが誤飲の事故です。飼い主の目の届かないところで、何を口に入れてしまうか分かりません。犬から長時間目を離すときは、犬をサークルやケージの中に入れ、危険なものから距離を置きましょう。
留守番中のイタズラをやめさせる方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。合わせてご確認ください。
→ 【トレーナー監修】愛犬の留守番中のイタズラ。理由と対策は?
もしもの時の備えになる
通院や災害で避難する時などは、ケージやクレートなどで過ごす必要があります。
特に子犬の時期に、動物病院に行く必要がある時は、病院内で他の犬とのトラブルにならないように、クレートに入れて連れて行きます。また、災害で避難する時などは、避難所でクレートに入れることを条件に、犬と一緒に避難が可能な自治体もあります。
(災害時に避難所に犬を連れていけるかどうかのルールは自治体や避難所によって異なります。詳細は自治体にご確認をお願いします。)
「外に連れ出さないから大丈夫」と思い、ケージやクレートに入るトレーニングをしない飼い主さんもいらっしゃいます。しかし自宅にいるうちから慣れておくと、愛犬のもしもの時のストレスを軽減できます。
サークルやケージの置き場所のチェックポイント
サークルやケージの置き場所はリビングや寝室をおススメしています。もちろんその他の場所に置いていただいても問題ありませんが、以下の点に注意して検討してみてください。
■暑すぎず、寒すぎない場所
犬は暑さにも寒さにも弱い動物です。特に、子犬のうちは体温調節がまだまだ苦手なので、注意が必要です。エアコンの風が直接当たらず、適度な室温の場所を選んであげましょう。
目安としては、18度〜23度、湿度は50~60%程度です。しかし犬種や犬それぞれで異なるため、犬の様子をよく見て温度を調整しましょう。
■飼い主がよくいる場所
犬は群れで過ごす動物です。なるべく人が集まりやすい場所を選んであげましょう。
リビングや寝室は、人がよくいる場所なのでおすすめです。
■うるさすぎない、静かな場所
サークルやケージはいわば自分の部屋です。サークルの中では落ち着いて過ごせるように、静かな場所を選んであげましょう。
また犬の聴覚は人間の4倍と言われています。テレビのスピーカーの近くなど、大きな音がする家具の近くは避けましょう。
サークルやケージのNGな置き場所
サークルやケージの置き場所のチェックポイントを踏まえたうえで、犬のためにこのような場所は避けましょう。
■窓際、エアコンの近く
窓際は外の気温の影響を受けやすく、温度調整がしづらいため避けましょう。
また、エアコンや扇風機などの近くも避けましょう。犬は体温調節が苦手な生き物です。風が当たり続ける場所ではうまく体温の調節ができません。直接風が当たらない場所を選んでください。
一方で湿度にも配慮し、なるべく風通しの良い場所を選んであげてください。
■音がしやすい場所
ドアの近くや、音の出る家電製品の近く、玄関のそばなど、音がしやすい場所では犬がリラックスできません。
犬は人間よりも敏感な聴覚を持っています。人間にとっては些細な音でも、犬にとってはストレスになる場合もありますので、注意しましょう。
サークル、ケージのサイズの目安
ここでは犬のサークル、ケージ選びのポイントとなる、「サイズ」について解説していきます。
大きすぎず、小さすぎず、犬が快適に過ごせるサイズを選びましょう。犬が立ったり寝転んだりするのに十分なスペースが必要です。また、中にトイレを置く場合は、更に広いスペースが必要になります。
具体的には、
- サークル・ケージの中にトイレを置かない場合:90cm×奥行き60cm程度
- サークル・ケージの中にトイレを置く場合:180×60cm程度
を目安にしてください。子犬の場合は少し大きく感じるかも知れませんが、犬の成長につれて体のサイズに合ってきます。ただし、犬種の違いによって推奨サイズは異なるため、購入時は犬のプロであるドッグトレーナーやペットショップの店員さんなどに相談するのがおすすめです。
サークル、ケージ内のレイアウト
サークル、ケージ内にクレートとトイレを設置しましょう。クレートを愛犬の居住空間とし、クレートとトイレの距離をできるだけ離します。犬は綺麗好きなので、居住空間(クレート)とトイレが近いことを嫌がります。トイレをサークル内に置く場合は、広めのサークルを設置してあげましょう。
ただし、子犬の時期はクレートとトイレを近くに設置することで、トイレトレーニングが成功しやすくなる場合があります。トイレトレーニングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。合わせてご確認ください。
→ 【トレーナー監修】子犬のトイレトレーニング、しつけのコツや成功例
また、犬はサークルやケージの中にいても、飼い主の近くにいたいもの。そのため、クレートを飼い主の普段居る側に設置し、トイレを奥側に設置しましょう。逆にすると、トイレを寝床にしてしまう可能性があります。
トイレ以外にもベッドや水飲み用のボウルなどを設置してあげることで、犬が快適に過ごせます。
まとめ
サークルやケージは愛犬にとって「自分だけの安心できる空間」です。愛犬が快適に暮らしてもらえる居場所を作ってあげましょう。
また、各ご家庭によってサークル、ケージのおススメの大きさやレイアウトは異なります。
犬種による成長度合い、体のサイズ、留守番の頻度と長さ、部屋の広さ等様々ですので、分からないことはドッグトレーナーに相談してみてくださいね。