以前は「おすわり」ができたのに、最近できなくなってしまった。「ふせ」など他のコマンドはできるのに、「おすわり」だけができなくなった。このような悩みを持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。

今回は「おすわりができなくなってしまった」というお悩みについて、飼い主様の相談内容とドッグトレーナーからのアドバイスをインタビュー形式でまとめました。
「おすわり」のトレーニング方法については、こちらの記事でも詳しく説明していますので、ぜひご確認ください。

※この記事は、飼い主様に了承を得たうえで、イヌトレでの実際の相談・回答内容を編集し記事にしたものです。

飼い主様とワンちゃんについて

イヌトレトレーナー：
まずは飼い主様と愛犬について、教えていただけますか？

飼い主様：
柴犬のソラくんは今10歳で、0歳の頃から飼っています。
私は主婦で、ソラくんは初めて飼った犬です。いままで一緒に過ごしてきました。やはり最近はソラくんの体力やリードを引っ張る力が落ちてきたなと感じています。

年齢が高くなってきたので、改めて「おすわり」を教える必要があるかはわかりませんが、一度相談してみようと思いました。

イヌトレトレーナー：
ありがとうございます。
画面越しのソラくん、とてもかわいいですね！「犬だから仕方ない」「年齢だから仕方ない」と思うのは簡単ですが、犬は意外と新しいことを覚えることができます。今回はご相談いただきありがとうございます。

飼い主様がこれまで取り組んできたトレーニング

イヌトレトレーナー：
今までどんなトレーニングをしてきたか、教えていただけますか？

飼い主様：
お迎えしてすぐにトイレトレーニングを行い、「おすわり」や「おて」などの基本的なコマンドを教えました。それ以降も問題なくこれらのコマンドを使っています。特に「おすわり」や「おて」はごはんの前に必ずやっていました。

イヌトレトレーナー：
「おすわり」や「おて」を自分で教えられたのですね！素晴らしいです。
その他にできるようになったコマンドはありますか？

飼い主様：
最近やっていないですが、「ふせ」はできます。
「おいで」やボールを持ってくる動きも教えようとしましたが、うまくいかず、それ以上は教えていません。

イヌトレトレーナー：
ありがとうございます。
たしかに1日の運動量がすごく多い場合は、ボール遊びを覚えてもらうことをおすすめしています。
例えば、大型犬や狩猟犬をルーツとする犬種の場合は、1日の運動量が多いため、ボールを投げて持ってくるという動きを覚えてもらうと効果的な運動ができます。

しかし柴犬はそれに比べると比較的運動量が少なく、散歩だけで十分な運動ができるため、ボールを持ってくるトレーニングを無理に教える必要はないかもしれませんね。

「おすわりができなくなった」という今回のお悩みについて

イヌトレトレーナー：
今回のお悩みについて改めて教えてください。

飼い主様：
今までごはんの前におすわりをしてもらっていましたが、突然おすわりをしなくなりました。
以前のように改めてトレーニングをしようとしても、なかなかおすわりをしてくれません。

イヌトレトレーナー：
「おすわり」をするときに嫌がっている、つらそうな様子はありますか？

飼い主様：
健康上の問題がないか観察してみましたが、どこかが痛そうな様子や、特定の体勢をするのが大変そうな様子はありません。

イヌトレトレーナー：
ありがとうございます。
もし少しでも痛がっていそうだったり、腰やお尻の方を触られるのを嫌がっている場合は、病気の可能性があるため動物病院へ相談してください。

まずは健康的な課題がなさそうで良かったです！

おすわりができなくなってしまった原因は主に3つ

イヌトレトレーナー：
おすわりができなくなる原因として考えられるのは、主に3つです。

① 健康上の理由でお座りができなくなってしまった

突然おすわりができなくなった場合、腰痛やおしりの痛みなどの健康問題が考えられます。柴犬のような中型犬は8〜10歳で老犬と言われ、高齢期に入るため、特に注意が必要です。ただ、ソラくんの場合、痛そうな素振りがないため、この原因は考えにくいでしょう。

② おすわりをするメリットを感じていない

おすわりをすることにメリットを感じない場合、犬はおすわりをしなくなります。

ごはんに興味がない、フードの好き嫌いが多い犬は、嫌いなおやつには反応しません。特に柴犬は頑固な性格の犬が多く、これが原因でおすわりをしなくなることがあります。

③ 興奮しておすわりができない

若い犬によく見られる原因ですが、他に興味があるものがあったり、喜びすぎたりして落ち着かず、おすわりができないこともあります。

この場合は、落ち着いているときにおすわりのコマンドを言うようにし、興奮させすぎないようにトレーニングすることで改善できます。

ソラくんがおすわりをしなくなった原因

トレーナー：
子犬の頃の教え方をもう一度やってみたとのことですが、どのようにトレーニングをしてみたのでしょうか？

飼い主様：
おやつを見せて顔の近くに持って行き、自然とおすわりの体勢にさせる方法です。うまくおすわりができたら褒めて、おやつをあげます。

イヌトレトレーナー：
ありがとうございます。一般的なトレーニング方法ですし、以前その方法でソラくんがおすわりができるようになったのなら問題ないと思います。（※）

※詳しいトレーニング方法については、こちらの記事をご確認ください。

イヌトレトレーナー：
しかし、以前の方法ではできないということは、他に原因があるかもしれません。トレーニングの際のおやつはどのようなものを使っていますか？

飼い主様：
今あげているドライフードを使っています。

トレーナー：
ありがとうございます。フードの嗜好性が高くない可能性がありますね。トレーニングには、ある程度犬が好きなおやつを使うと効果的です。犬のモチベーションを高めるために、おやつを変更してみるのも良いかもしれません。

飼い主様：
なるほど。最近高齢犬用のフードに変えたので、その影響でおすわりができなくなった可能性がありますね。

トレーナー：
そうですね。必ずしもそれが原因とは限りませんが、おやつを変えてみることをおすすめします！

飼い主様：
ありがとうございます。

トレーナー：
まずは、家にあるものでやってみましょう！
最初のうちはできるときとできないときがあるかもしれませんが、根気よく続けることで改善すると思います。

今回はご相談いただき、ありがとうございました。

※こちらの記事はイヌトレの実際のトレーニング内容やお悩みをもとに、飼い主様に了承を得たうえで、相談内容・回答内容を編集したものです。

まとめ

この後飼い主様は、トレーニングに使うおやつを変更しトレーニングを行いました。最初のうちはできるとき、できない時があったものの、継続的にトレーニングに取り組んでいただき、今では以前のようにお座りができるようになりました。

今までの愛犬の動きと少し変わった動きがするようになった時や、今までできていたことができなくなることもあると思います。その原因を考えるためにも、まずは気軽に、トレーナーに相談をしてみてください。

また、柴犬のしつけについては、こちらの記事でも扱っています。気になる場合は合わせて確認してみてください。

イヌトレでは褒めて育てるをモットーとした、プロの資格を持ったオンライントレーナーがご相談にのることが可能です。
愛犬に関するちょっとした悩みを相談してみたい、動物病院に行くほどではないけれど気になることがあるなど、お気軽にご相談ください。