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【トレーナー監修】犬がブラッシングを嫌がる理由とその対処法

ブラッシングのたびに嫌がる愛犬に、噛まれることに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんな飼い主さんに向けて、この記事では犬がブラッシングを嫌がる理由と、その対処法を詳しく解説します。

この記事を読んで、対処法を実践していただければ、愛犬とのブラッシング時間がもっと楽しいものになりますよ。

犬がブラッシングを嫌がる理由と対処法

犬がブラッシングを嫌がる理由はさまざまです。まずはその原因を理解することが大切です。

痛みや不快感

①毛玉やもつれにブラシが引っかかったときの痛みや不快感
毛玉ができるとブラシが引っかかり、毛を引っ張ってしまうことで犬に痛みや不快感を感じさせることがあります。

毛玉を取り除く際は、専用の毛玉取りブラシやスプレー(グルーミングスプレー)を使用し、無理に引っ張らないように注意しましょう。

②皮膚の炎症や傷にブラシが当たったときの痛みや不快感
皮膚に炎症や傷があると、ブラッシングが痛みや不快感を引き起こします。

皮膚の炎症や傷がある場合は、ブラッシング前に獣医師に相談し、適切な治療を受けましょう。肌が弱いワンちゃんの場合は、無理にブラッシングをする必要がないこともあります。その点も合わせて、獣医師へ相談しましょう。

③ブラシが硬すぎるせいで皮膚を傷つけてしまったときの痛みや不快感
硬いブラシは犬の皮膚に引っかき傷のような傷を付けてしまうことがあります。

よくトリミング用のブラシを使ってブラッシングをする方がいますが、日常のブラッシング目的で使うのはおすすめしていません。犬の毛質や毛の長さに合ったブラシを選び、優しく使用することが大切です。硬すぎるブラシの使用は避けましょう。
力加減が心配な場合は、ゴム製のブラシを使うのがおすすめです。

④ブラッシングの力が強すぎるときの痛みや不快感
強くブラッシングすると、犬に痛みや不快感を与える可能性があります。人にとっては平気なブラシの強さでも、犬の肌はデリケートなので、素肌を傷つけてしまうことがあります。

ブラッシングは軽いタッチで行い、毛並みに沿って優しく行います。強すぎるブラッシングは避けましょう。

愛犬の過去の経験や飼い主との関係性の問題

①過去のトラウマ

過去にブラッシングで痛みを感じた経験がトラウマとなり、ブラッシング自体を嫌がることがあります。

また、ブラッシングされるのを嫌がったことで、飼い主さんが力ずくでブラッシングをしてしまうと、さらにブラッシングを嫌がるようになります。

ブラッシング中やブラッシング後には、ブラッシング中にいい子にしていられたことを褒めてあげましょう。ご褒美(トリーツ)をあげることもおすすめです。

ご褒美や褒めることを通じて、ブラッシングをポジティブな体験にしましょう。最初から長時間ブラッシングをやるのではなく、短時間から始めて徐々に慣らしていくことが大切です。

トリーツをあげたり、トレーニングをする際の注意点はこちらの記事を参考にしてみてください。

②社会化不足
犬の社会化とは、生後初期の段階でさまざまな環境や状況、人、他の動物に慣れさせるプロセスです。このプロセスを通じて、犬は新しい経験を恐れずに受け入れ、適切な行動を学びます。社会化が不十分な場合は、ブラッシングをするという新しい刺激に対して過度に恐怖や不安を感じてしまいます。

子犬の頃から様々な経験をさせ、ブラッシングに慣れさせましょう。子犬の時期を過ぎてしまってもブラッシングに慣れてもらうことは可能です。ブラシがどのようなものかを見せて、ブラシに慣れてもらってからブラッシングを始めるのもおすすめです。

最初は短時間から始め、徐々にブラッシングの時間を延ばしていきましょう。リラックスした状態で行うことが大切です。

犬の歯磨きも同様に、歯ブラシに慣れてもらってから歯ブラシの利用を開始します。詳しくはこちらの記事で解説していますので、合わせて確認してみてください。

③飼い主との信頼関係の不足

そもそも飼い主との信頼関係が十分でない場合、飼い主さんから体を触られるのを嫌がります、そのため、ブラッシングを受け入れにくく、噛もうとしてくることがあります。日々の触れ合いを通じて信頼関係を深めましょう。定期的に優しく触れ合うことで、犬もリラックスしやすくなります。

散歩

ブラッシングする部位の問題

①飼い主さんが敏感な部位への触れ方に慣れていない

耳や腹部など敏感な部位を触られると、嫌がる犬が多いです。また顔周りなどにも触られると嫌がる時にも、こちらの傾向があります。最初は手で優しく触れる練習から始め、少しずつブラシに移行しましょう。敏感な部位には特に注意が必要です。

犬をお迎えした時には、名前を覚えてもらうなどの一環で、人に触れられても大丈夫なトレーニングを行います。そのトレーニング方法と同様の考え方で、トレーニングをするとブラッシングに対する警戒心もなくなっていきます。

具体的なトレーニングの順番や内容については、こちらの記事で解説しています。合わせて確認してみてください。

②痛みがある部位にブラッシングをしてしまっている

皮膚病や関節炎などの健康問題がある場合、ブラッシングが痛みを伴うため、嫌がることがあります。
定期的に獣医師に健康チェックを受け、皮膚や関節の問題を早期に発見しましょう。異常を感じた場合は、速やかに獣医師に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。

吠え

ブラッシングをするタイミングや環境が悪い

①疲労やストレスが溜まっている時にブラッシングをしてしまっている

疲れていたり一人で静かにしたい時に、構って来られると少し嫌になりますよね。愛犬にもそのような時があります。疲れていたりストレスを感じていたりすると、触れられること自体を嫌がることがあります。
犬のストレスサインを理解し、早期に気づいて対応することが大切です。ストレスを軽減する工夫をしましょう。

犬がリラックスしている時間帯を選び、疲れていないときにブラッシングを行いましょう。ブラッシング前は過度な運動は避けることが重要です。犬が興奮しすぎるとブラッシングをさせてくれなかったり、犬が疲れすぎると触られるのを嫌がったりします。

②落ち着けない環境でブラッシングをしてしまっている

騒がしい場所、不安定な台の上などでブラッシングを行うと、犬は落ち着かずに嫌がることがあります。興奮しやすい、不安を感じやすい場所でもブラッシングは、控えるようにしましょう。静かで落ち着いた場所でブラッシングを行い、犬に安心感を与えましょう。
また滑りにくく、安定した場所でブラッシングを行いましょう。犬がリラックスできる環境を整えることが大切です。

ブラッシングの際の注意点

実際にブラッシングを行う際の具体的な手順を紹介します。

ブラッシング道具の準備

まずは必要な道具の準備をしましょう。適切なブラシ、毛玉取りブラシ、スプレーなどを用意しましょう。また、リラックスできる環境を整え、犬が落ち着いていることを確認しましょう。

ブラッシングの進め方

最初は短時間から始め、回数を重ねるごとに徐々に時間を延ばしていきます。初回から全身をブラッシングする必要はありません。まずは犬が嫌がる前にブラッシングを終え、ブラッシング自体を嫌いにならないようにします。優しく丁寧にブラッシングしましょう。

トイプードル

噛む行動への対処法

■噛んだときの対応
犬が噛んだときは冷静に対処し、ブラッシングを無理に続けないようにしましょう。嫌な経験をさせないことで、ブラッシングをポジティブな体験を重視することが大切です。

■噛まないようにするトレーニング
噛む行動を予防するためのトレーニングを行い、犬がリラックスできるようにしましょう。
ブラッシング中に犬が噛んだり、嫌がったりする原因が分からないときには、犬の行動の専門家であるドッグトレーナーに相談してみてください。

ドッグトレーナーは、犬と飼い主さんの生活をより豊かにする手助けをいたします。
こちらから相談できます。

イヌトレのドッグトレーナー一覧

よくある質問(FAQ)

ブラッシング中に犬に噛まれたとき、犬を叱るべきでしょうか?

叱らず、冷静に振る舞ってください。
愛犬に噛まれたとき飼い主さんが慌ててしまうと、犬は更に不安になってしまいます。

犬がブラッシングを嫌がるときは、無理に続けないようにしましょう。あくまで、ポジティブな体験を積み重ねることが大切です。

ブラッシングの頻度は?

犬の毛質や健康状態によりますが、週に数回が目安です。

まとめ

犬がブラッシングを嫌がる理由を理解し、適切な対処法を実践することで、愛犬とのブラッシング時間を快適に過ごせるようになります。

焦らず、少しずつ愛犬の信頼を築いていくことが大切です。
もし、愛犬がブラッシングを嫌がる理由がわからない時には、ドッグトレーナーに相談してみましょう。