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【トレーナー監修】愛犬の歯みがき!トレーニング方法やおすすめグッズも
愛犬の歯みがきをしてあげたいのに、嫌がって磨かせてくれない。一度失敗してから愛犬が警戒して、口元を触らせてもらえなくなってしまった。そんな飼い主さんも多いのではないでしょうか?また、最初から歯みがきを喜んで受け入れてくれる犬であればラッキーですが、ほとんどの犬はそうではないでしょう。歯みがきを怠ると歯垢や歯石がたまり、歯肉炎や、放っておくと歯周病にまで発展するリスクがあります。
今回の記事では、歯みがきを上手にしてあげる方法と、おすすめのグッズについてご紹介していきます。
歯磨きを嫌がる場合については、こちらの記事で解説していますので、こちらも合わせて確認してみてください。
【トレーナー監修】愛犬の歯みがきトレーニング!嫌がるときはどうすればいい?
歯みがきが必要な理由
犬の口の中はpHが高いアルカリ性のため虫歯になることはほとんどありません。しかしその代わり歯周病のリスクが高いです。それを予防するのが「歯みがき」です。
最近の研究で歯周病は、犬の腎臓などの病気を引き起こす原因の一つとして考えられています。愛犬の健康のためにも歯周病の予防が必要です。
犬の口の中にも人間と同じように、歯垢がたまります。これが時間が経ち、黄色や茶色の塊になったものが「歯石」です。これを放置すると、細菌が繁殖しやすい状態となります。これが歯周病の原因となります。
歯垢は歯ブラシなどで簡単に落とすことができますが、歯石は簡単には落とすことができません。歯石は、獣医さんで全身麻酔をかけて落とすのが一般的です。しかし特に小型犬の場合は、全身麻酔におけるリスクも大型犬に比べて高く、手術の際には注意が必要です。
日頃の歯みがきを行い、歯石・歯周病を予防しましょう。
歯みがきトレーニングを始める時期
多くの犬は、歯みがきを嫌がります。そのため早めにトレーニングを行い、歯みがきに慣れてもらうことが重要です。
可能であれば、お迎えしてすぐから
犬の歯の生え替わり時期は、生後4~6ヶ月ほどです。生後2ヶ月ほどで乳歯が生えそろい、生後4から6ヶ月ほどで歯の生え変わりがあります。
多くの家庭での子犬のお迎えが、2ヶ月目以降なことを考えると、お家に来てすぐから、歯みがきを始めることが推奨されます。
お迎えしてすぐに歯みがきをするのが理想的ですが、それより前に、子犬にできるようになってほしいトレーニングもあります。歯みがきのトレーニングはそれらが終わってから取り組みましょう。
子犬のトレーニングの順番についてはこちらの記事で説明をしていますのでご確認ください。
成犬からでも、トレーニングができます
また今まで歯みがきの習慣がなかった場合でも、成犬になってから歯みがきのトレーニングをすることができます。
しかしそれまでの習慣を変える必要があるため、子犬に対するトレーニングよりも難易度が高くなってきてしまいます。難しいトレーニングにはなりますが、継続的に行うことで、愛犬に新しい習慣をつけてもらうことができます。
歯みがきトレーニング準備編
ここからは、歯みがきのトレーニング方法について説明します。
多くの犬は歯みがきをされるのを嫌がるため、無理やり歯みがきをするのではなく、トレーニングをして少しずつ慣れてもらいましょう。
① 口元に手をふれる
まずは口元に触れるのに慣れてもらいましょう。
犬におすわりをしてもらい、リラックスした状態で、少しずつ口元にふれましょう。口元を触らせてくれたら、おやつをあげて褒めましょう。
それができたら徐々にその時間をのばし、口もと全体を触っていきます。
ほっぺたや唇を引っ張って伸ばす事ができれば、このステップは完了です。
② 歯や歯ぐきへタッチ
唇をめくり、歯をさわります。やさしくふれたらおやつをあげ、徐々にふれる時間を長くします。
犬歯や奥歯の方が触りやすいため、まずはそちらから始めていきましょう。最終的には、前歯から奥歯まで触れるようになる必要があります。少しずつ、触れられる範囲を増やしていきましょう。
③ 指を口の中に
奥歯のほうへ指をのばします。同じくおやつをあげつつ、少しずつ時間を長くします。
この時、「人に触れられるといいことがある」と覚えてもらうようにしましょう。痛がったり嫌がったりした場合は、力ずくではせず、前のステップに戻っても問題ありません。
愛犬と飼い主さんがお互いの信頼関係を築きながら、少しづつできるようになっていくことが重要です。
このようなステップでもううまく歯みがきのトレーニングができない場合は、トレーニングのやり方が間違っているのかもしれません。
犬のトレーニングのプロであるドッグトレーナーに、ぜひ相談してみてください。
歯みがきトレーニング実践編①(歯みがきシートを使う)
歯みがきの方法には歯みがきシートを使ったもの、歯ブラシを使ったものがあります。まずは一般的な歯みがきシートの使い方について説明します。
口の中をさわらせてくれるようになったら、歯みがきシートを使います。
まずは歯みがきシート自体に慣れてもらうために、歯みがきシートを見せたり、匂いを嗅いでもらったりしましょう。歯みがきシートがどんなものかを犬が理解したら、次のステップに進みます。
歯みがきシートを指につけ、前歯から奥歯へと徐々に擦っていきましょう。
取りたいのは歯垢なので、あまり強い力は必要ありません。歯に触るのと同じように、全体的に撫でていきましょう。
歯みがきトレーニング実践編②(歯ブラシを使う)
歯ブラシを使って磨く方法もあります。商品によっては、歯みがきジェルをつけるものもあるので使い方はあらかじめ確認してください。
歯みがきシートに比べて歯ブラシは、上手く扱うのが難しいです。しかし、細かい場所の歯垢も落とせるという特徴があるため、ぜひ使えるようになりましょう。
まずは磨く前に、歯ブラシを見せたり臭いをかがせます。歯ブラシ自体に慣れてもらいましょう。
歯ブラシに慣れてきたら、シートと同じように前歯から奥歯にそって進めます。歯垢を落とすことが目的なので、歯茎を必要以上に擦ったりする必要はありません。
歯みがきの頻度
歯みがきは、3日に1回を目安に行いましょう。
人間に比べ、犬の歯垢は3日ほどで歯石になります。そのため3日に1回程度は、歯のメンテナンスができるような状態にしましょう。
飼い主さんの都合で、うまくできない日などがあるかもしれません。そのような時には、歯垢を落としてくれるコットンでできたおもちゃや、ガムなどを与えましょう。
歯みがきのポイント
乳歯の生え変わり時期は無理に歯みがきをしない。
乳歯の生え変わり時期、無理な歯みがきは避けましょう。また、歯ぐきが赤い場合は注意してください。
長時間の歯みがき・トレーニングは禁物
口を触らせてくれたから今のうちに!と長時間歯みがきをしないようにしましょう。
今まで歯みがきを嫌がっていたのに、無理やり長時間歯みがきをされたら、更に嫌いになってしまいます。愛犬が歯磨きを嫌いになってしまったので、飼い主ではどうしようもなくなる、、なんて事態になるかもしれません。1回を長くではなく、口に触られる頻度を増やし、歯みがきに少しづつ慣れてもらいましょう。
ごほうびは必須
トレーニングのステップでもお伝えしましたが、おやつを準備しておきましょう。トレーニングを嫌なことにさせないために、ごほうびは重要です。「口をさわらせたら良いことが起こる」と思ってもらい、歯みがきを楽しんでもらいます。
おすすめのグッズ
歯磨きシートの選び方
歯みがきシートを選ぶ際、最初は匂いがないものを選ぶのがおすすめです。人にとってはいい匂いでも、嗅覚の鋭いワンちゃんにとっては警戒されて、トレーニングの通りできなくなってしまいます。
歯ブラシの選び方
歯ブラシを選ぶ際は、歯ブラシの毛が硬すぎないかや、犬の口の中にうまく入るサイズかを確認しましょう。
特にプラスチックでできた歯ブラシが犬に噛まれて折れたりなどした場合、速やかに買い替えましょう。硬い部分が犬の歯茎に刺さってしまうと怪我のもとになります。
歯みがき用のおもちゃやガム
歯みがき用のおもちゃやガムは、犬の口の幅よりも少し長めの物を選びます。小さいと飲み込んでしまい歯みがきにならず、大きいとうまく噛めない可能性があります。
また、人間用のガムはキシリトールが犬に中毒を起こしてしまう可能性があるため、絶対にあげないでください。
まとめ
不安な場合は獣医師やドッグトレーナーさんに相談してみてくださいね。
また、歯周病が進行し痛みを感じている場合、犬が嫌がってどうしようもない場合もあります。そんなときは獣医師さんに診てもらうなど、お口の中をしっかり診察してもらいましょう!