「犬が甘噛みをしてきて困る」「叱ってもやめてくれない」なんてお悩みありませんか？
犬にはそもそも噛む習性があり、嚙みつくこと自体は問題ではありません。しかし甘噛みに対して上手にトレーニングできないと、それがエスカレートして人に怪我をさせてしまうこともあります。
今回の記事では、犬が甘噛みをする理由と、しつけ方についてご紹介していきます。

「しつけ」をプロに相談したい
飼い主の皆様へ

愛犬の「しつけ」や
「トレーニング」をサポートします！

犬が甘噛みをしてくる理由

まずは犬が甘噛みしてくる理由について、確認しましょう。

甘えている、構ってほしい

愛情表現のひとつとしての甘噛みです。
子犬の習性のひとつに、愛情表現としての甘噛みがあります。この甘噛みは飼い主の指などを噛んだりするのと同時に、吸ったりするのが特徴です。他にもグルーミング（毛づくろい）として、前歯で軽く噛む行為をすることがあります。
特に月齢の低い子犬によく見られ、子犬が成長するにつれ頻度が減っていきます。

じゃれ合い・遊んでいると思っている

子犬同士でじゃれ合っているときに、甘噛みをして様子を見たことがあるのではないでしょうか。これはじゃれ合うい・遊んでいるときの典型的な例です。
しかし、人と一緒に遊んでいるときは、「甘噛みをしてはいけない」ということを理解してもらう必要があります。正しくトレーニングをすることで、甘噛みをせず人と一緒に遊ぶことができます。

イヤなことを伝えようとしている

身を守るために、本能的に噛んでしまう場合があります。
愛犬がお休み中にも関わらず体に触ったり、起きているときに背後から急に触ったりした場合、「それはイヤだ」と伝えるために噛もうとしてきます。
また、遊んでいるおもちゃを無理やり取ろうとすると、反射的に噛んでしまうこともあります。
愛犬が嫌がる行動を避けることで、このような行為を減らすことができます。

口の中がかゆい、違和感がある

子犬、特に生後4ヶ月〜半年頃によく見られます。
乳歯の生え始めや、永久歯の生え変わりなどの、口の中の違和感から甘噛みをしています。お口の中を確認することで、歯の生え変わりが甘噛みの原因かどうか判断することができます。

このような場合、この後ご紹介する噛んで遊べるおもちゃなどを用意してあげると、家具や電気コードなどの危険なものを噛んでしまうことを避けられます。

好奇心で何でも口に入れてみている

人間の子どもと同じように、特に子犬の時期は、好奇心から何でも口に入れてしまいます。
口に入れることで、それがどんな物なのか、食べられるものか、食べられないものかなどを学んでいきます。これは子犬の成長にとって大事な行為です。
しかし、自宅には電気コードや家具など、危険なものもあります。特に飼い主が外出などで長時間犬から目を離す場合は、犬をサークルに入れるなど、犬の安全を守りましょう。

サークルのレイアウトについては、こちらの記事で解説しています。ぜひ、合わせて確認してみてください。
→ 【トレーナー監修】愛犬のサークルやケージの最適な置き場所って？愛犬が快適に過ごせるレイアウトは？

退屈やストレスを感じている

お留守番や運動不足などでストレスや退屈を感じ、甘噛みをしてしまうことがあります。
飼い主の関心を引くために、飼い主の足や手を噛んだり、家具やトイレシートを噛んで散らかしてしまうこともあります。
このような場合、飼い主が適切に対応しないと、甘噛みがエスカレートしてしまいます。この後ご紹介するトレーニング方法や、トレーニング時のNG行為などを確認し、正しいトレーニングを行いましょう。

甘噛みへのトレーニング方法

甘噛みはトレーニングで改善することができます。甘噛みには基本的に、攻撃の意図はありません。しかし遊びからエスカレートして、力加減が分からなくなってしまうこともあります。
成犬になるまでに甘噛みを放置していると、他の犬や人間にケガをさせてしまうなどトラブルの原因になります。できるだけ早い時期からトレーニングに取り組むことで、エスカレートする前に甘噛みを減らすことができます。

①環境を整える

そもそも愛犬が噛まなくていいような環境を作りましょう。
好奇心によって甘噛みをしたり、退屈やストレスを感じて甘噛みをする場合、このような方法が有効です。

自宅の中の不要なコードを片付けたり、いたずら防止のシート等を活用することも効果的です。また入ってほしくないエリアにはゲート（柵）を設けることで、家具の甘噛みを防ぐこともできます。犬にとって甘噛みをしなくてよい環境を作りましょう。

また、犬にとって嫌なにおいがする「しつけスプレー」を大事な家具につけておくことで、家具を傷つけられずに済みます。
トレーニング用のスプレーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
→ 【トレーナー監修】子犬をお迎え前に用意するグッズや準備しておくことは？

②噛まれたら遊ぶのを止める

甘えていたり、じゃれ合っている中で甘噛みをしてくる場合は、遊びの中で「人には甘噛みをしてはいけない」ということを覚えてもらいましょう。具体的には、以下のような流れでトレーニングを行うのがおすすめです。

■甘噛みをされたら「痛い」とはっきり伝える

遊んでいる最中など、犬が甘噛みをしてきたら「痛い」と強い口調でいいます。このときなるべく低い声で、落ち着いて言うようにします。高い声で「いたーい！」などと大きなリアクションをとると、犬は「飼い主が反応してくれた、遊んでくれている」と勘違いし、甘噛みがエスカレートします。

■部屋から退出する

「痛い」と言った後はすぐに遊びをやめ、部屋を移動するなどして犬の視界から消えます。こうすることで、犬は「今の行為をしたら、飼い主さんと遊んでもらえなくなるんだ」と気づくことになります。
最初は興奮して構ってほしそうにしてくると思います。心を鬼にして、犬がひとりで静かになるまで放っておきましょう。

■静かになったら部屋に戻る

犬が静かになったら、愛犬の元へ戻り静かにしていられたことを褒めてあげましょう。

犬には「自分の行動で嬉しいことが起こると、その行動をとる頻度が増える」という習性があります。「噛まずにいい子にしていると良いことがある」＝「褒められる」ことを学べるようなしつけをしていきましょう。このようなトレーニングをすることで、徐々に甘噛みの回数が減ってきます。
このトレーニングは、遊びのとき以外でも有効です。噛まれたときに「痛い」と反応し、しばらく犬を無視し、今の行為がいけない事であることを理解してもらいましょう。

愛犬との生活をお互いにストレスなく過ごすためには、早めに正しいしつけを行うことが重要です。しかし、しつけ方に不安を感じる方もいらっしゃると思います。そんな時は、犬のしつけのプロであるドッグトレーナーに相談するのもおすすめです。
→ イヌトレ（自宅でオンラインしつけ教室）のご案内はこちら

甘噛みをされたときのNG対処法

ここでは、噛まれた時のNG行為について説明します。
やりがちな行動ではあるものの、これをNG行為をとることでトレーニングの効果が薄れてしまったり、減っていた甘噛みの頻度が増えてしまうこともあります。

大げさなリアクションはNG

大げさなリアクションを取ることで、犬は「飼い主が反応してくれた、遊んでくれている」と勘違いし、甘噛みがエスカレートします。
例えば噛んできたときに「痛い！痛い！」と騒いだり、部屋を移動する際に走ったりすると、「遊んでもらってる！嬉しい！」と勘違いしてしまいます。

マズル（口元）を強く持つのはNG

噛むのをやめさせるために、マズル（口元）を強く持ったり、力で解決しようとする飼い主さんもいると思います。しかしそうすると、犬は逆に力づくで反抗してきます。
場合によっては人の手を怖がり、恐怖心から手を狙って噛んでくるようになります。

人に危害を加えるようになってしまうので、力づくで噛まないようにさせる行為はやめましょう。

叱るのはNG

叱るのはNGです。犬は叱られても、何に対して怒られているのか、簡単には理解できません。
特に子犬の場合、状況の判断がまだ上手くできないため、飼い主と「遊んだことを怒られた」などと誤解をしてしまいます。

ケージやクレートに閉じ込めるのはNG

ケージやクレートを「お仕置き部屋」のように使うのも避けましょう。犬はケージやクレートに入ることを嫌がるようになります。

ケージなどはハウスとして使用し、ハウスは本来、犬にとって安心できるはずの場所です。ケージなどが苦手な場所になってしまうことで、お留守番時や、病院に行く必要がある時などにスムーズに入ってくれなくなります。

ハウスのトレーニング方法についてはこちらの記事でも解説しています。
→ 【トレーナー監修】愛犬のハウスのしつけ方　ハウスのメリットやコツとは？

その他のしつけに関するNG事例については、こちらの記事で解説しております。
→ 【トレーナー監修】愛犬のしつけの注意点・NG例、よくある失敗例も

愛犬との生活をお互いにストレスなく過ごすためには、早めに正しいしつけを行うことが重要です。しかし、しつけ方に不安を感じる方もいらっしゃると思います。そんな時は、犬のしつけのプロであるドッグトレーナーに相談するのもおすすめです。
→ イヌトレ（自宅でオンラインしつけ教室）のご案内はこちら

甘噛み防止グッズの紹介

甘噛み防止のために、様々なグッズがあります。ここではどのようなグッズがあるか、簡単に紹介していきます。

ロープ型のおもちゃ

ロープ型のおもちゃは、引っ張りっこや飼い主が投げて犬が持ってくる、などの遊び方ができます。
犬のサイズに合った長さ・大きさのものを選びましょう。大型犬については、ロープが細すぎるとうまく遊んでくれない場合があるので注意しましょう。また、汚れやすいため、丸洗いができるものがおすすめです。

おやつが入るおもちゃ

犬の甘噛みの理由の一つが、退屈やストレスを感じてる場合です。
愛犬にひとり遊びを学んでもらうことで、退屈やストレスを感じづらくなります。ひとり遊びの定番として、中におやつが入るおもちゃがあります。
中におやつが上手く入るか、犬のサイズにあった大きさのおもちゃかなのか、などを確認してから購入しましょう。

しつけ・トレーニング用スプレー

噛まれたくない家具には、しつけ・トレーニング用のスプレーを使うのもおすすめです。
犬が嫌いな柑橘系のにおいや苦さのあるにおいをベースに作られたものがあります。そのようなにおいがする場所を犬が噛むのを嫌がるので、甘噛み防止が期待できます。本当に些細なにおいで、人間にはほとんどにおいが感じられません。

トレーニング用のスプレーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
→ 【トレーナー監修】子犬をお迎え前に用意するグッズや準備しておくことは？

まとめ

今回は代表的な甘噛みの理由と対策についてご紹介しました。
犬の噛み癖には必ず原因があります。
「愛犬がどうして噛むのか？」原因を探り、それぞれの原因にあったしつけをすることが大切です。また、頭ごなしに叱るのではなく、愛犬の行動を褒めてあげるしつけで、信頼関係をアップさせましょう。
やり方が分からないときはぜひドッグトレーナーさんなどに相談してみてくださいね。