PET TRAINING
犬のしつけ一覧
【トレーナー監修】愛犬のハウスのしつけ方 ハウスのメリットやコツとは?
お迎え後、愛犬と楽しい生活を送るためには一定のしつけやトレーニングが必要です。なかでも「ハウス」は基本のしつけとして、愛犬にしっかりと覚えておいてもらいたいもの。特に、「ハウス」は愛犬が落ち着いて過ごすためにもとても大事なものです。
今回の記事では、「ハウス」の重要性から、「ハウス」のトレーニング方法についてご紹介いたします。
ハウスはコマンドのひとつ
コマンドとは、愛犬に行動をしてほしいときに使う合図のこと。例えば、以下のようなものがあげられます。
- ハウス
- おいで
- おすわり
- まて
- ふせ
- おて
etc
ハウス以外のコマンドは他のコラムでも案内していきますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
おいでのコツはこちら
→愛犬のおいでのコツは?おいでの必要性や効果的なしつけ方法
おすわりのコツはこちら
→犬のおすわりのコツは?おすわりはトレーニングの基本!
まてのコツはこちら
→犬のまてのコツは?まての必要性や効果的なしつけ方法
ふせのコツはこちら
→愛犬のふせのコツは?ふせの必要性や効果的なしつけ方法
ハウスを覚える目的
まずはハウスを覚える目的について考えてみましょう。
①愛犬がストレスなく、快適に過ごすため
犬は縄張り意識の強い生き物。例えばリビングなどで放し飼いにしてしまうと、広い部屋すべてを守ろうとしてかなりのストレスになります。愛犬が気を張らずに済む自分だけのエリアを作ってあげましょう。
②お留守番や宿泊先で安心して過ごせる
長時間のお留守番やペットホテルなどに宿泊が必要になると、犬は不安から、吠えやイタズラをしてしまいます。旅行先や 宿泊先などへいつも使っている ハウスを持っていけば、犬は自分の安心するスペースを見つけられ、これらを防ぐことができます。
③移動や災害時に活用できる
持ち運びができるハウスに自分から入ってもらうようになれば、車、公共交通機関での移動ができるようになります。特に、動物病院に連れて行く時や、災害時の避難のときにも役立ちます。
ハウスを覚える時期
犬種や犬の性格によって差がありますが、生後3~4ヶ月くらいからトレーニングを開始するのがおすすめです。
アイコンタクトがとれるようになったら早めに始めるとよいでしょう
基本的なトレーニングを行う順番については、こちらの記事で解説をしています。トレーニングの方法と合わせて確認してみてください。
ハウスのトレーニングのステップ
ハウスのトレーニングは、どのように行ったらいいのでしょうか。 今回は クレートをハウスとして活用する場合を想定して、解説していきます。
①ハウスを室内に置いておく
まずはハウス自体に慣れさせます。リビングなどの犬や人がよくいる場所に、ハウスを置いておきます。自由に出入りできるようにしましょう。クレートの場合は、扉を外しておくことで、 偶然扉が閉まったりすることを防ぎ、いつでも出入りできるようになります。
一度設置したハウスは 、片付けたりせず、同じところに置いておきましょう。同じところにあることで犬は、「ハウスにはいつでも出入りしていいんだ」と安心感を持ちます。
②おやつで誘導
ハウスの手前の方におやつを置き、ハウスの中に入るように誘導します。このおやつを少しずつ奥の方へ入れていき、少しづつハウスの奥へ入れるように誘導します。
このようにすることで、「ハウスの中にいくとよいことが起こる」と覚えてもらいます。
犬の全身がハウスの中に入るようになったら 、次のステップに進んでください。
この時、無理にハウスに入れることがないようにしましょう。ハウスで嫌な経験を持ってしまうと、その後なかなかハウスに入ってもらえなくなります。 トレーニングがしづらくなったり、 習得に時間がかかったりしてしまうので、あくまで 「ハウスは楽しい場所」という意識付けを心がけてください。
③「ハウス」と言いながらおやつをハウスに入れる
ここからは、「ハウス」というコマンドを覚えてもらいます。おやつを置く時に、「ハウス」と声をかけましょう。何回か繰り返して、コマンドを覚えてもらいます。
またハウスに入り、扉の方を向くことができたら、褒めてあげましょう。おやつを使って褒めてもらっても大丈夫です。
④扉を閉める
ハウスというコマンドに慣れてきたら、 次は扉を閉めた状態に慣れてもらいましょう。
扉を閉めることは、犬にとって嫌な経験になることもあります。ここのステップアップは慎重に行いましょう。難しいと思った場合には、前のステップに戻ってもらっても大丈夫です。
「ハウス」と伝え、クレートの中に体が入ったら扉を静かに閉めます。犬が外に出ようと扉の方を向いたら、扉越しにおやつをあげます。おやつをあげたら速やかに、扉を開きましょう。
このようにして、少しずつ中にいる時間を長くします。
このようなトレーニングで、犬が「ハウス」を覚えていきます。「なかなかうまくできない 」「思ったよりも覚えが悪い 」等の場合は、トレーニングの方法が間違っているかも知れません。このような場合はドッグトレーナーに相談してみましょう 。
「ハウス」に関するトレーニング予約はこちらから
→おすすめのドッグトレーナーはこちら
ハウスの種類
ハウスとは「犬の居場所」のことです。サークル、ケージ、クレートの3つは、一般的に「ハウス」として使われます。
まずはサークル、ケージ、クレートの3つにどのような違いがあるのかを説明します。
サークル
サークルは室内の一部を囲う役割を持ちます。側面が柵で囲われ、基本的には天井がついていないものです。(一部天井つきの製品もあります。)種類は側面を囲う柵を組み合わせたもの、床付きのもの、折りたたみ式など、複数あります。
ケージ
サークルとは違って、側面を囲う柵に天井と床面がついているものです。
天井がついているため、飛び出しが心配な愛犬はケージがおススメです。サークルと同様、折りたたみ式、布製のものなど複数の種類があります。
クレート
クレートは持ち運び可能な小さなケージのようなもの。基本的には動物病院に行くときなど、移動の際に使用します。大きさの目安は犬が中で楽に向きを変えられる程度です
この他にもソフトキャリーやリュックサックタイプのものなど、いろいろな形状やデザインのものがあります。愛犬のサイズや体重に合わせて選んでみてくださいね。
クレートをハウスとして活用することが多いですが、クレートが必ず必要というわけではありません。ケージに慣れているようでしたら、ケージをハウスとして使っても大丈夫です。
ただし、クレートは外と視界が遮断されているのに対し、ケージは外が丸見えです。そうすると犬はどうしても外の刺激が気になってしまい、中で落ち着くことができなくなってしまいます。ケージをハウスとして利用するのであれば、布などをかけてあげると愛犬が落ち着いて過ごすことができます。
サークルに関してはこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひ確認してみてください。
ハウスから出てこない理由は?
ハウスを覚えてもらったはいいけれど、 ハウスから犬が出てこないと不安になりますよね。ここでは犬がハウスから出てこない理由について解説していきます。
①ハウスが気に入っている
ハウスの中がお気に入りの場所の場合、 なかなか外に出てきてくれません。このような場合は無理に出す必要はないので、扉を開けたままそっとしておきましょう。
②ハウスの外を嫌がっている
家に来客がある場合や、 旅行先などの慣れない場所では、犬はハウスの中から出るのを嫌がります。場所や来客に慣れれば、自然とハウスから出てきてくれます。そのまま見守りましょう 。
また散歩が嫌いな子の場合、ハウスから出てきてくれないことも多いです。この場合は犬の健康のためにも、おやつなどで誘導してハウスから出し、散歩に連れていきましょう。
③体調不良など
部屋の温度が犬に合っていなかったり、調子が悪い時には、自分が安心できるハウスにいることが多くなります。犬の体調が悪そうな様子がある場合は、動物病院か獣医さんに相談しましょう。
まとめ
子犬の性格、飼われている環境によって子犬のしつけの順番は変わってきます。
しつけを早くしなきゃ!と焦る前に、まずは信頼関係をつくっておいてくださいね。ハウスのステップは目安なので、子犬それぞれの特徴に合わせたしつけをすること。叱ったりせず、たくさん褒めながらしつけをしてあげましょう。
分からないことや不安なことは、ぜひドッグトレーナーに相談してみてはいかがでしょうか。