PET TRAINING
犬のしつけ一覧
【トレーナー監修】犬のまてのコツは?まての必要性や効果的なしつけ方法
お迎え後、愛犬と楽しい生活を送るためには一定のしつけやトレーニングが必要です。
なかでも「まて」は基本のしつけとして、愛犬にしっかりと覚えておいてもらいたいもの。今回の記事では、イヌトレがドッグトレーニングをする中で見つけた「まて」の重要性から、「まて」のトレーニング方法、まてのトレーニングのときの注意点、トレーニングのポイントについてご紹介いたします。
まてはコマンドのひとつ
コマンドとは、愛犬に行動をしてほしいときに使う合図のこと。例えば、以下のようなものがあげられます。
- ハウス
- おいで
- おすわり
- まて
- ふせ
- おて
etc
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→「おすすめのドッグトレーナー」
「まて」以外のコマンドは、他のコラムでも案内しています。ぜひチェックしてみてくださいね!
まてを覚える目的
まずは「まて」を覚えてもらう目的について、説明していきます。
①犬の衝動的な行動を抑制する
まてがうまくできると、トラブルや危険を回避させることができます。
お散歩中など、犬が突発的な動きをしてしまうことがあるとおもいます。その際にまてができると、愛犬が動き出そうとするのを制止させ、危険から距離を取ることができます。
特に、車通りの多い危険な場所でも、信号待ちのとき、指示を冷静に受け入れ、交通事故などを回避できるようになります。
② 愛犬が穏やかに過ごせるようになる
「わがままやかんしゃくを起こしにくくなる」という効果もあります。まては、愛犬が自分の感情よりも、飼い主の指示を優先できるようにするものです。これができるようになると、興奮しそうな状態を回避でき、普段の生活から穏やかな心を保ちやすくなります。
③日常生活でのマナーや安全性を高める
散歩中に拾い食いをしそうになったとき、「まて」と伝えることで拾い食いを防いだり、ハウスからの飛び出しを防ぐことができます。
④おすわり同様、他のトレーニングの基本となる
まてがきちんとできることで、他のコマンドのトレーニングもスムーズに行えるようになります。
他のコマンドには、「おすわり」や「ふせ」などがあります。これらは、まてと同じように、トレーニングをしておきたいものです。「まて」は「おすわり」同様、それらのコマンドを教えるときの基本となります。
まてのトレーニングを始める時期
ここでは、「まて」のトレーニングの開始時期について解説します。
確認するべきポイントは2点です。両方を満たしてからトレーニングを開始しましょう。
①生後3~4ヶ月経ってから
犬種や犬の性格によって差がありますが、生後3~4ヶ月くらいからトレーニングを開始するのがおすすめです。
この時期より前の子犬は脳が未発達なため、トレーニング内容が理解できず、成果があまりあがりません。犬がトレーニングできるようになるには、生後からある程度の日数が必要です。「早くトレーニングをしたい」という気持ちもわかりますが、焦らず子犬の成長を待ちましょう。
②おすわりができてから
「まて」は「おすわり」の体制を基本として、トレーニングしていきます。「おすわり」を覚えてから開始しましょう。
「おすわり」のコツはこちら
→犬のおすわりのコツは?おすわりはトレーニングの基本!
生後3~4ヶ月や、おすわりができてからは、トレーニングの開始時期の目安です。犬種や犬の性格によって差があるため、愛犬にあった時期を見極めてみてください。
まてを教える前に
まてのトレーニングを教える前に、「おすわり」ができるようになったほうがいいとお伝えしました。
しかし、まてやおすわりを教える前に、以下は最低限、愛犬に覚えてもらいましょう。
- 名前を覚えさせる
- アイコンタクトがとれるようにする
- トイレトレーニング
- ボディコントロール
- ハウストレーニング
- 甘噛みをやめさせる
まずはこれらができるようになってから、まてのコマンドを教えていきましょう。
詳しいトレーニング方法や注意点は、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。
まてのトレーニング方法
※まず「おすわり」ができるようになりましょう!
「おすわり」のコツはこちら
→犬のおすわりのコツは?おすわりはトレーニングの基本!
①おやつを持った状態でおすわりをさせ、2秒ほど待つ
まずは、おやつを持った状態でおすわりをさせ、心の中で2秒数えましょう。このときにアイコンタクトをしっかりと取っておくのがポイントです。
②2秒おすわりができたら、おやつをあげ、褒める
おすわりで待つ事ができたら、おやつをあげて、褒めてあげましょう。
動き出してしまう前におやつをあげることが大切です。犬とアイコンタクトを取り、犬の限界ギリギリまで待たせます。
我慢できず動き出してしまったら、おやつはあげず、再度おすわりをしてもらいましょう。我慢できず、吠えたり、唸ったりしてしまうかも知れません。このときも同様に再度おすわりをしてもらい、やりなおしましょう。
③おすわりの時間を徐々に伸ばす
おすわりをしてもらう時間を、2秒から徐々に伸ばしていきます。
10秒ほどおすわりができるようになったら、次のステップに進んでください。一度に10秒までできるようになることは、ほとんどありません。何日か繰り返していくうちに、おすわりができる秒数が伸びていきます。
④犬がおすわりをしたら「まて」と伝える
ここからは、「まて」というコマンドと、動作を関連付けていく作業です。
犬がおすわりで待っているときに、はっきりと一回「まて」と言いましょう。
最初は犬が疑問に思い、おすわりを止めてしまうかも知れません。その場合は、改めて「まて」をしてもらうところから始めましょう。
⑤10秒ほど継続できていれば「よし」といっておやつをあげ褒める
「まて」と言ってから10秒ほど経ったら、「よし」と言っておやつをあげましょう。10秒が難しい場合は、「まて」と言って少しでも待てればOKです。おやつをあげましょう。
犬のトレーニングでは、「よし」など犬への指示を解除する言葉を、解除語と呼んでいます。「まて」と「よし」をセットで使い、「よし」と言われたら動いていいということも理解してもらいましょう。
⑥時間を徐々に伸ばしていく
「まて」と言ってから「よし」までの秒数は、10秒ほどからはじめ、徐々に時間を伸ばしていきましょう。また時間を伸ばすと同時に、飼い主さんは一歩づつ離れていきましょう。遠ざかっても犬とアイコンタクトが取れている状態が理想です。上手くできなかった場合は、犬のすぐそばに戻り、おすわりからもう一度やりなおしましょう。
1分ほどできれば、「まてができる」と言っていいレベルです。
⑦刺激が多い場所で「まて」を行う
屋内などの刺激が少ない場所でまてができるようになったら、次は屋外などの刺激が多い場所で行います。
散歩の途中や、外の音がする玄関などで同様に、まてをやってもらいましょう。ただし、うるさすぎて飼い主さんの「まて」の声が聞こえづらい場所は避けてください。
最初の方は、屋内で行うよりも短い時間しか「まて」ができないと思います。しかし、外の刺激の中でまてができるようになることこそ、まてのトレーニングを行う目的のひとつです。信号待ちなどで、まてを使い、安全に過ごしてもらえるようにしましょう。
まてのトレーニングをする際の注意点
ここでは、トレーニングをする際の注意点や、トレーニングが上手くいかない飼い主さんのよくある間違いポイントを解説していきます。
おすわりをしている間は余計な言葉はかけない
おすわりをしている間、余計な声掛けは逆効果です。犬は集中してトレーニングに取り組んでいます
他の刺激があるとそれに反応してしまい、おすわりが継続できなくなってしまうこともあります。
また、余計な言葉をかけることで犬は混乱してしまい、「まて」のコマンドを上手く理解できなくなってしまいます。
上手にできたら、しっかりと褒める
トレーニングが上手くできたら、しっかりと褒めてあげましょう。犬にとって、飼い主さんと一緒に何かをやったり、褒めてもらったりすることは、とても嬉しい経験です。
犬は嬉しいことがあったら、その行動を繰り返すという習性があります。その習性を上手くつかい、「まて」の習得をしてもらいましょう。
待てなかったときは、おやつはあげずにもう一度繰り返す
時間を伸ばしていくと、目標よりも短い時間しか「まて」ができないこともあると思います。その場合は、もう一度同じことを繰り返します。上手くできたときだけおやつをあげることで、犬はやるべきことを理解できるようになります。
はっきり大きな声で「まて」と言う
「まて」と伝えるときには、はっきりと大きな声で1回で伝えましょう「まってまって!」「まってよ~」など曖昧に言うと愛犬は混乱します。
1回のトレーニングは5~15分
犬の集中力は、5~15分ほどで切れてしまいます。一度に一気にトレーニングするのではなく、コツコツとトレーニングをしましょう。
時間があいていれば、1日のなかで複数回トレーニングを行っても問題ありません。おやつでお腹が一杯にならないようにだけ、注意してあげてください。
叱るのはNG
上手くできないからと言って、叱るのはNGです。犬はなぜ叱られたのか理解できません。上手くできないときも、あせらず時間をかけて根気強くトレーニングをしましょう。
根気よく続けていても、なかなかできるようにならないときは、トレーニングの方法が間違っているのかも知れません。
ドッグトレーナーにトレーニング方法を相談するのもおすすめです。
→ 「おすすめのドッグトレーナー」
まてのトレーニング、よくあるお悩み
最初は2秒から始めないといけないの?
おすわりがどの程度できているかに合わせて、秒数の伸ばし方を調整しましょう。
時間を伸ばすのが難しい場合は、1秒から始めても構いません。また、おすわりが数秒以上できる場合は、最初から5秒程度から始めても構いません。
英語で教えてもいいの?
英語で「stay(ステイ)」と伝えてもOKです。ただし、家族の中で言い方が複数あると、犬が混乱してしまうため、どんなコマンドで教えるかは家族で統一しておきましょう。
また「よし」は「Go」や「OK」を使うのが一般的です。
まての途中で吠えてしまう、よだれが出てしまう
まての状態で落ち着けていないことが原因です。
落ち着けていない原因はいくつか考えられるので、自分の愛犬がどの状態か確認しましょう。
まずは、トレーニングで使うおやつの嗜好性を見直してみましょう。必ずしも犬が大好きなものにする必要はありません。
また、回数を重ねるうちに落ち着いてくるということもあります。犬が興奮してしまうのは、自分の気持ちに従っているからです。しかし、「まて」では犬は自分の興味よりも、飼い主さんの指示を聞けるようになる必要があります。まての時間を伸ばしたり、トレーニングを進めることで、興奮を抑えられるようになります。
それでも上手くいかない場合は、ドッグトレーナーさんに直接相談してみるのもおすすめです。
→ 「おすすめのドッグトレーナー」
まとめ
子犬の性格、飼われている環境によって、子犬のしつけの順番や方法は変わってきます。
また、しつけを早くしなきゃ!と焦る前にまずは、まずは信頼関係をつくっておいてくださいね。しつけの順番は目安なので、子犬それぞれの特徴に合わせたしつけをすること。叱ったりせず、たくさん褒めながらしつけをしてあげましょう。
また困ったときは自分だけで解決しようとせず、プロのドッグトレーナーに相談してアドバイスをもらいましょう。きっとあなたとワンちゃんとの生活がハッピーになりますよ。